「シストレ」って儲かるの?

「シストレ」とは?

「システムトレード」、または「シストレ」という言葉があるが、その意味するところは使う人によってかなり異なる。広義には作成された売買ルールに従ったトレードをすること、という意味のようである。そして、狭義では広義のシステムトレードのうち、売買を自動で執行するもの、という意味のようである。

このため、自分で作成した売買ルールに従って手動で売買するのも(売買ルールに従うという意味で)システムトレードである。また、他人の作った売買ルールに乗っかって自動売買するなら、それも(売買ルールを作ったのが誰であるかは問わないから)システムトレードだということになる。

システムトレードの研究をするという場合、前者であれば市場分析によって利益をもたらす売買ルールを発見することが中心となるだろう。そして、後者であれば、選択肢として提供された売買ルール群の良し悪しを見抜き、どう活用するかということが中心となるだろう。同じシステムトレードでもベクトルがかなり違い、これをひとくくりにするのには違和感がある。

私は自分で作成した売買ルールに従ってトレードすることをシステムトレードだと考えていた。ところが、ネットで「システムトレード」、あるいは「シストレ」で検索すると別の意味で使われていることが多い。「業者が提供するストラテジー(売買ルール)を選択し、自動で売買させること」という意味で使われているのだ。それはさて、今回取り上げる「シストレ」は、「業者が提供するストラテジーを選択し、自動で売買させること」という意味で使う。

私の失敗経験

ではシストレは儲かるのかというと、正直よく分からないし、興味がないので一々検証する気も起きない。実を言うと、FXを始めたばかりのころ、このようなサービスを恥ずかしながら一度だけ利用したことがある。

当時、FXを始めたものの、まるで勝てず、どうすればよいか悩んでいた。そんなとき、とあるシストレ業者のストラテジーの中で勝ち続けているものがあるのを見つけた。それは日々勝ち続け、しかもランキング上位に数カ月続けて留まっていた。

これは本物だと思った私はそのストラテジーがいつも同じ時間に注文を出していたので、その時間にチェックし、同じ注文を出した。それで勝てるに違いないと思い、そして実際に勝ったのである。

気を良くした私は取引サイズを倍にしたが、よくあることで、その日を境にそのストラテジーは負け始めた。そんなはずはない、そのうち持ち直すはずだと思って売買を続けたが、負けは続く。これ以上の負けは授業料とするには高すぎると考えた私はついにあきらめた。

本物と信じたストラテジーのその後

それから半年か1年かくらい立った後、あのストラテジーはどうなったろうかと思って業者のサイトを見てみた。すでにランク外に消えていて、検索してようやく見つけた。取引履歴を見ると、その後も負け続け、一時やや持ち直したが、さらに負け続け、そのままとなっていた。

業者のサイトには上位ストラテジーの直近のパフォーマンスが紹介されていて、いかにも儲かっているかのように宣伝していた。だが、儲かっているストラテジーが上位になっているのだから、当たり前のことで、問題は儲かり続けるかである。

たくさんのストラテジーがあれば、例えまぐれでも、ある程度の期間は勝ち続けるストラテジーがいくつもあるはずだ。ならば、その上位は必ず儲かっているに違いない。だが、大抵は1年もすれば消えてしまい、また別のストラテジーが上位を占めるということを繰り返している。こうして私はこのようなサービスに対する興味を全く失い、むしろ不信感を抱くようになったのである。

ストラテジーの良し悪しの判断は困難

シストレで儲けるためにはストラテジーの研究が必要だ。しかし、ストラテジーの良し悪しの判断は相場が上がるか下がるか予想するくらい難しいのである。

業者にもよるし、今と昔では違うかもしれないが、ストラテジーの判断材料といったらパフォーマンスと取引履歴くらいしかない。せいぜい方針程度で具体的な売買ルールは公開されておらず、中身はブラックボックスである。限られた材料でストラテジーの良し悪しを判断するのは非常に困難だと言わざるを得ない。

そもそもの話をすると、このようなストラテジーに乗っかろうとするのは自力で勝てないからだ。自分で売買ルールも作れないのに他人の売買ルールの良し悪しを見抜くことなどできるのか、はなはだ疑問だ。同じようなことは市販EAを評価する場合にも言えることである。

そういえば当時、某掲示板でこの業者についてのスレッドが立っていて、利用者がストラテジーについてあれこれ批評していた。中にはテクニカル指標で分析してみせて「上昇トレンドなのに売るとか馬鹿じゃねーの」みたいなことを言っている人もいた。自力で勝てない人間がうんちくを垂れて批評するなど噴飯物だ。

ストラテジーの研究より相場の研究

ストラテジーの研究をするよりも先ず自力で勝てるように相場の研究をしたほうがはるかによいと私は考えている。経験的に本物が少ないと分かっているものの研究は虚しい。むしろ相場の研究をしたほうが有意義であるし、ストラテジーの良し悪しを見抜く目も持てるようになるだろう。

(2017/01/28更新)