平均回帰戦略とボラティリティ

ボラティリティが平均回帰戦略にどのような影響を与えるかを調べてみる。

検証に当たっては「トレード戦略」カテゴリの「基本的な平均回帰戦略」を用いた。シグナルはそのままとして、指定したボラティリティを超えた部分をカットしてパフォーマンスがどうなるかを見てみる。

ボラティリティは平均回帰戦略に悪影響か

先ずリターンの標準偏差を求め、標準偏差の0.5、1.0、1.5、2.0の4つのパターンで調べる。

In [1]:
import forex_system as fs
import matplotlib.dates as mdates
import matplotlib.pyplot as plt
import numpy as np
from datetime import datetime

fs.remove_temp_folder()

symbol = 'USDJPY'
timeframe = 5
period = 10
spread = 0.0
position = 2
start = datetime.strptime('2016.01.01 00:00', '%Y.%m.%d %H:%M')
end = datetime.strptime('2016.12.31 23:59', '%Y.%m.%d %H:%M')

entry_threshold = 1.5
filter_threshold = 10

zscore1 = fs.i_zscore(symbol, timeframe, period, 'MODE_SMA', 1)
bandwalk1 = fs.i_bandwalk(symbol, timeframe, period, 'MODE_SMA', 1)
buy_entry = (zscore1 <= -entry_threshold) & (bandwalk1 <= -filter_threshold)
buy_exit = zscore1 >= 0.0
sell_entry = (zscore1 >= entry_threshold) & (bandwalk1 >= filter_threshold)
sell_exit = zscore1 <= 0.0
data = symbol, timeframe, buy_entry, buy_exit, sell_entry, sell_exit, 0.1, 0, 0
signal, lots = fs.calc_signal(data)
ret = fs.calc_ret(symbol, timeframe, signal, spread, position, start, end)
cumret = (ret + 1.0).cumprod() - 1.0
sharpe = fs.calc_sharpe(ret, start, end)
print('std\t', 'sharpe ratio')
print('org\t', sharpe)
plt.plot(cumret, label='org')

op = fs.i_open(symbol, timeframe, 0)
std = np.std(op.shift(-1)/op-1.0)
for i in range (4):
    rnd = (i + 1) * 0.5
    ret2 = ret.copy()
    ret2[ret2/std>=rnd] = std * rnd
    ret2[ret2/std<=-rnd] = std * (-rnd)
    cumret = (ret2 + 1.0).cumprod() - 1.0
    sharpe = fs.calc_sharpe(ret2, start, end)
    print(str(rnd), '\t', sharpe)
    plt.plot(cumret, label=str(rnd))

plt.title('Mean Reversion and Volatility')
plt.xlabel('Date')
plt.ylabel('Cumulative Return')
plt.legend(loc='upper left')
ax=plt.subplot()
ax.set_xticklabels(cumret.index, rotation=45)
ax.xaxis.set_major_formatter(mdates.DateFormatter('%Y-%m-%d'))
plt.tight_layout()
plt.savefig('mean_reversion_and_volatility.png', dpi=150)

fs.remove_temp_folder()


std      sharpe ratio
org      2.22657550743
0.5      5.68911369135
1.0      4.93028818462
1.5      4.02796478075
2.0      3.48310576555


指定したボラティリティで超えた部分をカットした場合、いずれも元の戦略のシャープレシオを超えている。また、カットする部分が多いほどシャープレシオは高くなっている。

グラフを見ると、標準偏差1.0以上の場合では累積リターンでも元の戦略を超えている。標準偏差0.5の場合ではさすがにカットされる部分が大きすぎるようだが、それでも累積リターンは元の戦略と大差ない。

指定したボラティリティを超えた部分をカットした場合、カットされるのは損失だけではなく、利益もである。にもかかわらず、カットしたことによって累積リターンが増えたのはなぜか。これは損失のときのほうが利益のときよりボラティリティが大きく、カットされる部分がより大きいからだろう。

この結果はボラティリティが平均回帰戦略に悪影響を与えていることを示唆しているようにも思える。だが、そうだと断定するのは早計だろう。別の角度からも検証するべきかと思う

ボラティリティは避けるべきか

私は数時間程度の時間軸では為替レートは平均回帰的であるが、ファンダメンタルによる変化は回帰しないというイメージを持っている。ファンダメンタルの変化は往々にして大きなボラティリティをもたらす。こうして起きた変動は多少は戻すこともあるだろうが、基本的に戻らないと考えるのである。

すると、ボラティリティが拡大する局面でトレードを避けたならば、平均回帰戦略のパフォーマンスを向上させることができるのではないかということは容易に思いつく。この想定に基づいて、いろいろ検証してはいるのだが、今のところ、結果は出ていない。

現時点ではボラティリティはやはり避けたほうが無難だと考えている。だが、単純に避けるだけではパフォーマンスを向上させることはできず、さらに工夫を加える必要がある。

(2017/03/09更新)