ハイブリッドトレードのすすめ

私はトレードスタイルの1つとして、ハイブリッドトレードを勧めたいと思う。

ハイブリッドトレードとは

ハイブリッドトレードとは裁量トレードとシステムトレードを組み合わせたトレードである。現時点において、この用語は一部の人が用いているにすぎないようだ。裁量トレード、システムトレードに比べると一般的とは言えない。

裁量トレードはよく言えば臨機応変、悪く言えば感情的でルールがない。システムトレードはよく言えば理性的でルールがあり、悪く言えば融通がきかない。ハイブリッドトレードは双方のよいところを取り入れようという試みである。

私はトレーダー自身の研究によって作成したトレードルールに基づきつつ、一定の範囲内での裁量を許容するトレードと解している。裁量トレードとシステムトレードの両方を別々に行うことと解する人もいる。用語自体が一般的ではないから、多くの人に受け入れられている定義があるわけではない。

私のトレード遍歴

私がFXを始めた当初は裁量トレードであった。だが、まるで勝てなかった。

そこで、システムトレードに転向した。ようやく勝てるようにはなったが、安定して勝てるまでには至らなかった。

そして今、試行錯誤しながらハイブリッドトレードを行っている。断定的なことは言えないが、今のところ、安定して勝っているようである。

システムトレードが根底にあればこそ

ハイブリッドトレードがうまくいくかどうかはシステムトレードだけでもそれなりに勝てるということがカギである。例えば勝てないトレードルールを裁量の力で勝ちに転じる、というようなものはハイブリッドトレードではない。それほどの裁量トレードの才能があるなら、それ一本でやるべきだろう。

したがって、先ずはシステムトレードの研究が重要である。研究によって、それなりに勝てるトレードルールを見出すことができて初めてハイブリッドトレードが可能になる。もちろん、システムトレードだけで安定して勝てれば申し分ないが、それならシステムトレード一本でやるべきだろう。

専業でやりたい人にも有用

専業ではない私が言うのもおこがましいが、専業でやりたい人にもハイブリッドトレードは有用だと思う。

専業にも2つのスタイルがあるだろう。1つは裁量トレードであり、人によっては1日中、トレードにどっぷり浸っている。もう1つはシステムトレードであり、システムがちゃんと稼働しているか確認するくらいで、あとは自由に時間を使っている。

システムトレードにひいきした見方をすると、1日中、自分でトレードをするのであれば、普通に仕事しているのと変わらないではないかと思えなくもない。自営業者と雇われ労働者の違いはあるにしてもである。

専業トレーダーに憧れる人は雇われ労働者という境遇から逃れたいという気持ちもあるだろう。だが、労働そのものから解放されたい、自由に時間を使えるようになりたいという願望もあるのではないだろうか。

システム開発を除けば、自分で働かなくてもシステムが勝手に稼いでくれる。それはもちろん理想ではあるが、それが簡単にできることなら誰も苦労はしない。といって、自分でトレードするのでは自由に時間を使えるようにはならない。

そこで、ハイブリッドトレードである。ハイブリッドトレードでも勝てるトレードルールは必要である。だが、勝手に稼いでくれるシステムほど優れている必要はない。

システムにシグナルを出させてトレーダーに通知するようにする。トレーダーはそのシグナルに基づき、最終的には自分の判断でトレードを行う。通知がない限り、チャートを見る必要はないので、さほど時間は奪われない。

システムだけで勝つというのは理想ではあるが、ハードルは高い。あまりこれにこだわると専業への道は遠ざかるだけだろう。残念なことだが、時は人の成長を待ってはくれないのである。

裁量が下手なのだが…

裁量トレードが下手でシステムトレードに転向したという人も少なくないと思う。私もそうだった。中途半端なシステムに下手な裁量を加えたら、なおさら勝てないのではないかという疑問もあるだろう。

実にもっともな疑問である。確かにそのような場合もあることは否定できない。

ただ、裁量が下手な人はそもそもルールがなかったから勝てなかったのではないかと私は考えている。原理原則がないから感情的になり、負けてしまうのである。

だが、システムトレードの研究によって生まれたルールが今はある。研究は1日やそこらでできるものではないから、気付かないうちに経験も積んでいる。ルールを中心に据え、経験を活かせば、裁量は決してマイナスにはならないと私は考えている。

ハイブリッドトレードの基本原則

トレーダーは必ずしもシステムに従わないが、もちろん、好き勝手に無視していいわけではない。私はシステムに裁量を加えるに当たって、システムが持つポジションを持つことは許されるが、システムが持たないポジションを持つことは許されない、という大原則を設けている。

もう少し具体的には以下の4つの基本原則である。

  1. システムがエントリーのシグナルを点灯させてもエントリーしなくていい。
  2. システムがエントリーのシグナルを点灯させていなければエントリーしてはならない。
  3. システムがエグジットのシグナルを点灯させていなくてもエグジットしていい。
  4. システムがエグジットのシグナルを点灯させたら必ずエグジットする。

悪い裁量トレードの例

悪い裁量トレードとして以下のような例がある。

  1. 他人の意見やその場の雰囲気に動かされ、根拠もないのにエントリーする。
  2. 含み損があると、プラ転するまでエグジットしない。つまり損切りしない。

エントリーする基準を自分で持っていないから、エグジットする基準もない。結局、でたらめにエントリーして勝つまで頑張る。運よくプラ転できればいいが、できないといつまでも含み損を抱え、下手をするとロスカットになる。

ロスカットが嫌で資金を追加し、さらに含み損を増やしてしまい、結局はロスカットになって、とんでもない大金を失うという話もよく聞く。自業自得とはいえ、ひどい話だ。

ハイブリッドトレードの基本原則の2と4はこれを避けるものである。

悪いシステムトレードの例

悪いシステムトレードとして以下のような例がある。

  1. 大きなイベントの予定など、エントリーを避けたほうがいい情報があるのに愚直にシグナルに従ってエントリーする。
  2. 相場が落ち着かず、利益が出てもなかなか伸びないとき、エグジットのシグナルがないからといって利食いしない。

イレギュラーな状況でシステムが過去の検証通りに機能しないことが予測されるのに、システムに逆らうことを恐れ、大数の法則を損なうとして無理にエントリーする。その結果、無駄なトレードをしてしまう。

エントリーしたはいいが、大きく上昇したと思ったら、急に下落するなど、相場が不安定なときがある。そういう場合、利益が出ていればもうけもので、さっさと利食って逃げたほうがいい。ところが、システムに従うことにこだわり、「損小利大」とか「損切りは早く、利食いは遅く」とかいった、よく知られてはいるが必ずしも根拠のない言葉に惑わされて利食わずに失敗したりもする。

ハイブリッドトレードの基本原則の1と3はこれを避けるものである。

最後に

私が考えるハイブリッドトレードとは大体このようなものである。もちろん、これに限ったことではないし、これが正しいなどというつもりは全くない。むしろ、ただの自己流である。

トレードのスタイルとして、裁量トレードか、それともシステムトレードか、という二者択一にとらわれている人が少なくないように思われる。そのためにトレードを無用に難しくしてしまっている。あまり固く考えず、もっと柔軟に双方を組み合わせる、というスタイルを試してみてはどうだろうか。

(2017/03/25更新)

コメント

非公開コメント